私はメーカーの知財部歴10年程度ですので、
知財部の業務内容について書いていきたいと思います。
「メーカーの知財部」の仕事内容をざっくり教えたいなと思います。
私は比較的小さい知財部に所属しています。
(もう少し大きい知財部ですと、業務が細分化されているイメージです。)
「発明発掘」とは、
技術者さんの成果から、
特許出願ができる「発明」を掘り下げる作業を言います。
たとえば、
技術者さんが、
新しいテレビを作ったとします。
「テレビ」と特許出願しても、
なかなか特許にはなりません。
なので、
作ったテレビの、
「どこが新しい?」
また、
「なぜ特許にするべきか?」
「この技術を作るため、何に苦労したか?」
などを掘り下げて、
特許出願のストーリーを考えていきます。
ちなみに私はこの作業が一番楽しいです。
技術者さんは、
自分の技術のことを話すのが好きな方が多い印象です。
なので、割と楽しい作業です。
発明発掘をして、競合他社が同じ内容で、
特許出願していたら特許は取れません!
(いわゆる先願主義です。)
なので、調査をします。
無料サーチエンジンや専用の調査ツールなどを利用して、
「他社が同じような発明をしていないか?」をチェックします。
誰もこの発明を思いついていないぞ!
となれば、いよいよ特許出願です。
特許出願業務は、所属する企業によって様々かと思います。
私が勤めている企業では、特許事務所に出願を委託しています。
そのため、特許事務所の弁理士さんに、
発明について説明をしないといけないです。
この場合、弁理士さんと技術者さんとの間にたたないといけないです。
弁理士さんには、技術の説明をしつつ、
技術者さんには、法律の説明をする。
・・・感じです。
技術も法律もある程度理解している必要があります。
弁理士さんに出願書類を作成してもらったら、
内容をチェック。
欲しい権利が取得できそうか確認します。
そして特許出願です。
特許を出願したからと言って、
すぐに特許はもらえません!
特許庁の審査官に審査されます。
圧倒的に新しいものなら、すぐに特許になりますが、
「特許にはできない!」と、
拒絶されたりすることもあります。
そこで、知財部は特許庁の審査官に
「交渉」をするような感覚で、
なぜ、この発明が特許になるべきか?
などを述べます。
(色々、省略してますが、こんな感じです。)
審査官が納得すれば、やっと特許になります!
(やったー!)
期限管理は、知財部の業務でかなり重要です。
一見マイナーですが、かなり重要!
知財部の業務では、
特許庁へ渡す書類がたくさんあります。
それぞれの書類には期限があります。
すごくややこしいのですが、
期限の日付をちゃんと管理する必要があります。
「来週までに、この書類用意してね!」
と社内のいろいろな部署の人へのリマインダもする必要もあります。
さもないと、特許の期限が切れてしまう!
など、恐ろしいことになってしまうこともあります。
重要ですね・・・。
私が思う、知財に向いている人は以下のとおりです。
今度、詳しく記事にしようかなと思います。
・「理系と文系の中間だ」と思う人
・文章を読むのが苦でない人
・技術の話を聞くのが好きな人